メッセージ
はじめに
今年は物価上昇等の影響を受け個人消費に停滞が見られるものの、雇用・所得環境が改善するなかで、景気は緩やかな回復基調となりました。2024年度の新設住宅着工戸数は、期中までは前期比減少傾向で推移したものの、2025年4月以降に建てる新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されたことなどを背景に、着工を3月以前に前倒しする動きが広がり、2024年度年間では前期に比べ2%増加の81万戸となり、3年ぶりに増加となりましたが、本年4月、5月の足元ではその反動で着工件数が2桁台で減少しています。このような状況のなか、当社は環境に配慮した商品を提供する事業活動を通じて、持続的な社会への貢献と企業価値の向上を目指し、活動してまいります。
環境負荷低減への取り組み
パリ協定に基づき、世界各国は脱炭素社会の実現に向けた政策を進めている中で、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の設立に伴い、当社でも有価証券報告書にてエネルギー使用に関する年間削減目標を策定しております。加えて2025年3月にSSBJ(日本サステナビリティ基準委員会)によるサステナビリティ基準が公表され、プライム市場に対しては順次基準への適用が義務化されます。スタンダード市場は任意適用となりますが、基準に沿った算定を行い、開示に備えるため、当社では2024年5月にCO2算定ツールであるSustanaを導入し各要求に対応すべく検討をすすめております。当社では環境面、生産面に有効なコージェネレーションシステム設備および太陽光発電パネルを導入し、2023年3月より稼働しております。LNG(液化天然ガス)を燃料としてガスタービンエンジンにて発電し、工場に電気を供給するのと同時に、ガスタービンエンジンから発生する熱を活用し蒸気を発生させ、めっき装置等に利用しています。また、2024年度は既存の組立課ボイラーへも利用を拡大させました。このように熱を廃棄せずに利用することで高いエネルギー効率を実現させ、省エネ効果を高めCO2排出量削減に貢献します。また、電力については総使用量のうち、コージェネレーションシステム設備で約30%、太陽光発電パネルで約10%の電力をまかなっております。太陽光パネルは、昼間の晴天時には総使用電力の最大30%ほど供給できる能力があります。また、両設備の環境への年間効果としては、当社における2023年度の年間のCO2排出量実績ベースの約12%にあたる、およそ660t-CO2の削減ができました。引き続きエネルギー使用量とCO2排出量の削減により、コストと環境の両面に寄与してまいります。製品開発面では、環境配慮型商品として11機種の新製品を開発しました。生産活動でのエネルギー削減だけではなく、お客様が製品を使用するライフステージでもエネルギー削減となるよう、今後も環境配慮型商品の開発を継続してまいります。
水に関わる企業として
環境負荷を緩和し次世代へと受け継ぐためにエコプログラムを定め、地球環境との共存に向けて取り組んでおります。当社は地球温暖化防止を重要な経営課題の一つに位置付け、事業成長と環境汚染防止の両立に向け、低炭素な操業を可能にする生産技術の革新と、脱炭素社会に貢献する技術開発を社員一丸となって進めております。今回、生産設備増設に伴い排水量が増加することに合わせ、排水先が下水道から河川放流に変更となりました。生産系排水は処理装置を通すことで無害化し、排水基準を遵守して排水しております。万が一に備え、確認用貯水槽を設け、確認槽内の排水成分に問題がないことを確認したのち放流しております。水に関わる企業として、地域の水環境を守るよう心がけてまいります。
代表取締役社長 末松正幸
環境経営ビジョン
環境方針
理念
水。水は私たちの生命にとって大切なものです。
地球環境も私たちが生きていく上で大切なものです。
私たちは大切な水に関わる企業として、地球で生きる一員として、子孫がいつまでも豊かな生活を送ることができるように地球環境を大切にします。
私たちは、地球環境を考慮した事業活動と製品の提供に努め、企業としての社会的責任を全うします。
基本方針
- 1省資源・省エネルギーを推進する。
- 2限りある資源の有効利用に配慮した製品の開発、設計を推進する。
- 3廃棄物の削減及びリサイクルを推進する。
- 4環境に関する法規制、地域との協定、その他の要求事項を遵守し、環境汚染を防止する。
- 5環境マネジメントシステムを確立し、定期的な見直しを図り、継続的な改善を推進する。
- 6社会との協調、共生に積極的に取り組む。
- 7環境方針を外部に公表する。
- 8従業員には、環境に対する意識向上のために教育、啓蒙を行う。
ISO14001認証取得
KVKは、水栓金具の専業メーカーとして、国内全事業所対象のマルチサイト方式で、環境管理の国際規格である「ISO14001」の認証を2000年7月に取得しました。
2017年12月に「ISO14001:2015年度版」へ移行し、認証を維持しています。
環境方針に掲げている「地球環境を考慮した事業活動と製品の提供に努める」を基本理念として省資源・省エネルギー、環境に配慮した製品開発、環境法令遵守、社会との協調・共生などに取り組んでいます。
今後も、環境保全に対応できる環境マネジメントシステムを確立し、製品の設計・開発段階からの省資源化に取り組むとともに、社員全員参加のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すことによって継続的な環境改善を図ります。
社員の環境に対する認識を深めることで環境負荷の継続的削減を推し進め、「循環型社会」に対応していきます。
認証機関 | 日本規格協会ソリューションズ株式会社 |
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登録範囲 |
給水栓・継手・水まわり関連部品に関する下記の活動
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適用範囲(全部門) |
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認証登録日 |
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子会社のISO14001認証取得状況
中国の子会社である大連北村閥門有限公司では現地にて2015年度版ISO14001を取得して環境マネジメントシステムを確立しています。フィリピンの子会社であるKVK PHILIPPINES,INC.は2016年に設立しましたが、現在は情報収集段階であり、ISO認証は取得していません。
大連北村閥門有限公司
認証機関 | 通標標準技術服務有限公司(SGS) |
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登録範囲 | 水栓及び水栓部品の製造と販売 |
適用範囲(全部門) |
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認証登録日 |
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KVK PHILIPPINES,INC.
現在は認証を取得していません。
沿革
※緑文字:関連法規制
1964年 |
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1971年 |
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1973年 |
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1976年 |
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1977年 |
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1988年 |
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1991年 |
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1992年 |
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1993年 |
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1995年 |
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1996年 |
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1997年 |
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1998年 |
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1999年 |
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2000年 |
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2001年 |
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2002年 |
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2003年 |
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2004年 |
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2005年 |
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2006年 |
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2007年 |
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2008年 |
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2009年 |
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2010年 |
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2011年 |
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2012年 |
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2013年 |
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2014年 |
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2015年 |
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2016年 |
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2017年 |
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2018年 |
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2019年 |
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2020年 |
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2021年 |
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2022年 |
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2023年 |
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2024年 |
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2025年 |
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